先ずは、新型コロナウィルス感染拡大が一刻も早く収束され、一日も早く安心安全に生活できる環境が戻ってくることを心より願います。また、既に被害を被っている方々におかれましては、一刻も早い回復を心より祈念いたします。

去る4月13日、静岡県吹奏楽連盟より「第61回静岡県吹奏楽コンクール開催中止について」の連絡が添付文書の通りありました。(文書の一部を添付しますが、不適切であれば削除いたします。)
全国で先駆けての中止決定のため、吹奏楽業界においてこの三日間多くの議論を呼んでいることは周知のことと存じます。本来であれば、部員、保護者、関係各位に向け面と向かって話す機会があれば詳しく説明できますが、何分休校が続いているためそれも叶わず終いとなっていることが心苦しいばかりです。不特定多数の方々が閲覧する可能性のあるこういった場に記すべきはないかもしれませんが、多くの誤解も招く恐れもありますので今回の静岡県吹奏楽連盟の文書から読み解けること、皆様が疑問に感じること、今後想定されることなどについて考えられる範囲で説明させていただきます。

コンクールのシステムについて説明します。静岡県吹奏楽連盟は、東海吹奏楽連盟の傘下にあります。東海吹奏楽連盟は、全日本吹奏楽連盟の傘下にあります。私たち浜商吹奏楽部は、校長に許可を得て静岡県吹奏楽連盟に加盟し各種大会へエントリーしています。細かな規約などは割愛しますが、静岡県吹奏楽コンクール西部地区大会から上位の学校が静岡県吹奏楽コンクールへ”推薦”されます。そして、静岡県吹奏楽コンクール上位の学校が東海吹奏楽コンクールへ”推薦”されます。更に、東海吹奏楽コンクール上位の学校が全日本吹奏楽コンクールへ”推薦”されます。あくまでも下位大会から上位大会へ”推薦”することが基本的な考えであって、全日本吹奏楽連盟が、東海吹奏楽連盟が・・・といった考え方ではありません。静岡県吹奏楽連盟、東海吹奏楽連盟からの”推薦”であるため、極端な考えですが全日本吹奏楽連盟側からそれをどうこうは言えないはずです。現に”推薦”団体を決める審査方法も全日本吹奏楽コンクールと東海吹奏楽コンクール、東海吹奏楽コンクールと静岡県吹奏楽コンクール、愛知県吹奏楽コンクール、三重県吹奏楽コンクール、長野県吹奏楽コンクール、岐阜県吹奏楽コンクール・・・全て異なります。また、この”推薦”という考え方は、全日本吹奏楽連盟主催の吹奏楽コンクールおよびマーチングコンテスト、マーチングバンド協会主催のマーチングバンド全国全国大会およびマーチングバンド東海大会、マーチングバンド・バトントワーリング静岡県大会も同様です。全日本吹奏楽連盟や東海吹奏楽連盟から何のアナウンスもないのに静岡県吹奏楽連盟は・・・とここ数日話に上がっているようですが、上記の考え方からすれば仮に全国津々浦々これまで通りコンクールが開催され、静岡県のみ中止決定がされたままであったとしても、静岡県吹奏楽連盟からは”推薦”団体がなかったとされるだけです。全日本吹奏楽連盟、東海吹奏楽連盟が、はたまた他支部、他の都道府県がどうであったとしても、私たちが加盟する静岡県吹奏楽連盟が決定したことです。私たちの代表者である小学校・中学校・高等学校・大学・職場・一般部門の理事の皆様が苦渋の決断をされたのであろうと思います。送付されてきた文書にもありますが「静岡県教育委員会等からの・・・」という文面から推察するに理事だけでなく関係各所との協議の上で至った決断なのであろうと感じました。まだまだ先の見えない人類の危機を鑑みて、今回の決断が英断であったとなるか、勇み足であったとなるかは、今判断できるものではありません。ただ、今回は静岡県吹奏楽連盟が先駆けて真っ先に声を上げたことで、全国的に注目を集めてしまっただけのことです。追従する都道府県も出てくるでしょうし、全日本吹奏楽連盟の声明を待って判断する都道府県も出てくることと思われますが、静岡県教育委員会の意向も加味されているのであれば、今回の決定が覆ることはなかろうと思われます。静岡県教育委員会から静岡県吹奏楽連盟に対してこういった要請があったとするならば、吹奏楽コンクールよりも早い時期に開催される静岡県高等学校体育連盟、静岡県高等学校野球連盟に関連した大会にも同様の要請をしていることでしょう。そうでもなければ吹奏楽関係者の尊厳に関わる大きな問題です。あまりあっちは良くてこっちは悪いといった議論はしたくありませんが・・・。

政治の世界同様、私たちの仲間から選出された代表の皆様が議論し、行きついた結論です。間違いなく言えることは、絶対にいじわるであったり、やる気がなかったりして至った結論ではないということです。誰もが開催したいと思っていても、そこに結論を持っていけなかった何かがあったと思います。私たちは、それらも踏まえ今回の結論を尊重し、その中から何かを見出していくことに努めなければいけません。不安を吐露しても、異を唱えても何も始まりません。

コンクールが全てではありませんが、コンクールという大きな目標に向かっていく過程での人間形成、音楽的技能の向上など多くの教育的意義を失ってしまうことは、年間活動の流れを考えるに非常に大きな痛手を負いますが、それに代わる何かを見出していくのが渦中にいる現役部員と指導者の試練であると思います。
この数日、浜商吹奏楽部のことではありませが・・・「コンクールがないなら引退していいですか?」とか「全日本がないなら中日吹に」とか「楽器やってる意味って何」とか・・・様々な声が聞こえてきます。何かぼやきたくなる気持ちも分からなくもありませんが、そういった問題ではないということもきっと分かっているのだろうと思わずにはいられません。夏のコンクールが”吹奏楽”の全てではない、全日本吹奏楽コンクールと中部日本吹奏楽コンクールでは全く性質が異なる、楽器やってる意味はコンクールではない・・・分かりきったことですが、ぼやいても何もならないことでしょうし、場合によっては負の連鎖を生むだけです。

連日様々なメディアで新型コロナウィルスの感染状況であったり、今後予想される展開であったり多くの関連報道がなされています。不安を煽る訳ではありませんが、今後状況が悪い方に展開した場合は、秋の吹奏楽関連行事も、冬の吹奏楽関連行事にも影響を及ぼすことは必至です。そんなことになれば今行われている議論は・・・。
現在は、完全に”非常時”です。平時の浜商吹奏楽部であれば「現状維持は衰退を招く」と攻めの姿勢を崩さずに進むことを理想としますが、非常時である以上「完全守備」を徹するべきであると思います。新型コロナウィルス収束時、休校が明けた折には、部員、保護者、関係各位が皆心身共に健康で、安心安全で目一杯な部活動を満喫できる環境を守り備えることが今成すべきことであると痛切に感じています。

先のことは、落ち着いてその時最良の判断をできるように”タラレバ”を色々と考えていければと思います。

窮屈で、退屈で、詰まらない毎日かもしれませんが、これまで毎日のように音楽が目一杯できる仲間と場所があったこと、大小様々な幸せを経験することができていたことを今部員は痛いほど感じていることと思います。休校明けに待っている楽しい一時まで、今は日々多くのメディアが唱えているような事柄を厳守し、自宅で課題や予習など学習に励み、音楽をより高い次元で楽しむために上手になる個人練習をして欲しいと思います。

誤解なきよう説明に徹するつもりでしたが、私見的な面も多く含んでしまいました。上記が一連の背景全てではありませんし、実際に聞いたものでもありません。あくまでも連絡文書から読み解いたこと、皆様の疑問や今後考えられることなどをまとめたものです。十分ご留意いただければと思います。長文、大変失礼しました。

冒頭にも記しましたが、新型コロナウィルス感染拡大が一刻も早く収束され、一日も早く安心安全に生活できる環境が戻ってくることを心より願います。

オマケ