この度の人事異動により、今日一杯で本校を離れることとなりました。
在任中の15年間、極めて大勢の方々に格別のご厚情を賜り深く感謝しています。
長く務めたためか、未だ明日から新任校へ赴く実感が湧きません。これから段々と浜商吹奏楽部の顧問でなくなったことを、折に触れ感じていくのではないかと思います。

1月17日、第62回定期演奏会を終え一週間、既に締め切りを過ぎていて、待っていただいていた”浜商120周年記念誌”用の原稿を担当に送信しました。異動について考えもしなかった頃に認めたものですが、そのまま下記に載せておきます。

 1990年4月に本校へ入学し、吹奏楽部に入部しました。以来29年、いつも『浜商吹奏楽部』が生活の中心にありました。三年間お世話になった吹奏楽部顧問の遠山詠一先生、クラス担任であり硬式野球部監督の上村敏正先生への憧れや影響もあり、将来は教諭として母校の教壇に立ち、吹奏楽部の指導に当たりたいと考えるようになりました。大学時代、講師時代、前任校時代、離れていても、気持ちはいつも浜商へ向かっていました。
 2004年4月に本校へ赴任し、吹奏楽部の顧問となり、クラスも緑学年の担任を5周り務めさせていただいています。以来15年、苦悩の日々は続き、気持ちの晴れる日はありません。理想の部活動やクラス運営、それらの目的や目標から得られるであろう成果など、満足が行くこともありません。自身の指導力不足を痛感し、大きな功績を残した二人の恩師のようにはいかない、長く浜商に居るべきではないなど、異動や転職を頻繁に考えていました。ただ、そういった想いとは相反し、生徒が段々と成長していく姿、心から応援してくださる方々が増えるなど、日々、月々、年々と取り巻く環境は変化していきました。これらを日ごろから実感するなか、大小様々な節目を迎え、その都度「取り敢えず次の節目まで頑張ろう」と考えるようになりました。そのような積み重ねが続き、気付けば15年が経っていました。
 15年が経ちましたが、実際のところはまだまだ夢半ばと言わざるを得ません。全く成就には至っていない状況です。しかし、想い描く夢を形にできた時、どんな儚い景色が広がっているのか見てみたいという気持ちは今も変わりません。諦めず、粘り強く、腐らず、考えて、楽しく、皆で・・・・・・たくさんの言葉を列挙しても結局は『浜商魂』の一言で片付けられてしまいますが、私たちに許された便利な言葉なので用います。夢を追いかけて、また次の節目まで『浜商魂』を何時も胸に頑張ろうと思います。

節目となる今日を迎え、改めて読み返し何とも形容し難い心境ですが、今後は、一生一OBとして、向こう三年間は一父母の会員として、浜商吹奏楽部を全力で応援していきたいと思います。
略儀ながらこの場を借りて、お礼方々ご挨拶申し上げます。

2019年3月31日

静岡県立浜松商業高等学校
吹奏楽部顧問  齋木隆文